同じLEDでも、
つくり方が違う。
LEDビジョンは、赤・緑・青の微小な発光素子を規則正しく並べて映像をつくります。その発光素子を「どの単位でまとめるか」「基板へどう実装するか」「表面をどう保護するか」が、パッケージ技術の違いです。新しい方式ほど常に優れているということではなく、視認距離、設置環境、必要な明るさ、保守方法に合う技術を選ぶことが重要です。
- 実装の密度どこまで細かなピッチを構成しやすいか
- 表面の保護衝撃・粉塵・湿気への配慮があるか
- 交換の単位ランプ・パッケージ・モジュールのどこで直すか
LED実装技術を、
構造から見る。
大型・高輝度を得意とするDIPから、表面実装のSMD、SMDを樹脂で保護するGOB、チップを直接基板へ実装するCOB、Micro LEDを個別にパッケージするMIPへ。構造の違いをシンプルに整理します。
DIP
脚のある砲弾型LEDを基板の穴へ挿入して実装する、長い実績を持つ方式です。
屋外・遠距離向けSMD
RGBチップを一つのランプにまとめ、基板表面へはんだ付けする標準的な方式です。
汎用性・保守性GOB
実装済みのSMDモジュール表面を透明樹脂で覆い、耐衝撃性や防塵性を高めます。
表面保護技術COB
LEDチップをモジュール基板へ直接実装し、面で封止する高密度な方式です。
超小間隔・高保護MIP
微細なMicro LEDを小さなパッケージにして検査・選別後、基板へ実装します。
精細・均一・拡張性方式ごとの特長と、
適した用途。
比較するときは、画質だけでなく、物理的な強さ、交換方法、量産性、設置後の運用まで見る必要があります。ここでは一般的な傾向を、用途とともに紹介します。
DIPDOTS IN PLACE
長年の運用実績を持つ、最も成熟したLED実装技術の一つです。赤・緑・青の砲弾型LEDを基板へ差し込み、裏面ではんだ付けします。高輝度と高い耐久性を得やすく、大型屋外広告や長い視認距離に適します。一方、近距離で見る高精細画面にはピッチ面の制約があります。
- 高輝度を必要とする屋外大型画面
- 遠距離から見るスタジアム・道路表示
- 細かなピッチより視認性を優先する用途
SMDSURFACE MOUNT DEVICE
一つの小型パッケージにRGBを収め、SMT工程で基板表面へ実装します。製品の選択肢が広く、輝度・ピッチ・コストのバランスを取りやすい方式です。個々のランプを交換しやすい一方、表面の素子は直接の衝撃や湿気に配慮が必要です。
- 店舗、オフィス、ステージ、屋外広告
- 幅広い画面サイズとピッチに対応
- ランプ単位での補修を考えやすい
GOBGLUE ON BOARD
SMD実装後のモジュール表面へ透明な樹脂層を形成し、ランプの剥離、接触、粉塵、湿気などから保護します。人が触れる場所や、搬入・撤去を繰り返す用途に有効です。樹脂の光学設計によっては、点光源の見え方や表面反射を整え、近距離での映像の均一性に寄与します。一方、補修方法や交換単位は製品ごとの確認が必要です。
- 床面、低い位置、通路付近の画面
- レンタルや移動の多い運用
- 光学特性と専用補修方法を個別に確認
COBCHIP ON BOARD
個別のランプパッケージを介さず、複数のLEDチップをモジュール基板へ直接実装し、表面を一体的に封止します。高密度実装と滑らかな黒い表面をつくりやすく、近距離で見る超高精細画面に適します。補修はモジュール単位になる場合があります。
- 役員会議室・監視室・高級映像空間
- 近距離で見る小ピッチ表示
- 表面保護と深い黒を重視する用途
MIPMICRO LED IN PACKAGE
Micro LEDチップを小さな表示デバイスとして個別にパッケージし、検査・選別・混合した後、SMTに近い工程でモジュールへ実装します。細かなピッチ、高い黒比率、色や明るさの均一性を追求しながら、パッケージ単位の管理を行いやすい方式です。
- 高精細な会議室・ショールーム
- 均一性を重視する大型Micro LED
- 屋内から高輝度の屋外表示まで
パッケージ名だけでは見えない、
4つの品質設計。
同じSMD、GOB、COB、MIPでも、LEDパッケージ、はんだ接合、駆動方式、基板、電源、表面処理の設計によって完成品の性能は変わります。方式名だけでなく、実際の設置環境に必要な品質を確認します。
視野角による
色・輝度の変化
カタログ上の視野角だけでなく、正面から外れた位置で色温度、明るさ、コントラストがどのように変化するかを確認します。複数方向から見る空間では、表示の均一性が選定の重要な基準になります。
- 確認項目水平・垂直の視野角、色温度、輝度
- 適用空間店舗、ショールーム、会議室、撮影空間
接合強度と
実装品質
LEDパッケージの端子構造、はんだ接合面、SMT工程、PCBパッド設計は、設置・輸送・運用時の振動や接触に対する安定性に関わります。数値だけでなく、製造工程と出荷前検査まで含めて評価します。
- 確認項目パッケージ構造、はんだ接合、PCB設計
- 運用条件レンタル、移動運用、低い位置への設置
消費電力と
放熱設計
LEDチップの実装、駆動方式、ドライバーIC、PCB、電源効率、キャビネットの放熱経路を総合的に確認します。必要な明るさを保ちながら発熱と消費電力を抑えることは、長時間運用の安定性にもつながります。
- 確認項目最大・平均消費電力、運用輝度、動作温度
- 設計要素駆動方式、電源効率、PCB・筐体の放熱
表面保護と
近距離画質
GOBやCOBなどの表面保護は、接触、粉塵、湿気への配慮に加え、反射、黒の見え方、光の均一性にも影響します。清掃方法、補修方法、交換単位を含め、導入後の運用まで確認します。
- 確認項目保護構造、表面反射、表示の均一性
- 保守条件清掃方法、補修方法、モジュール交換
完成品と設置条件で確認する。
DTFは、製品仕様、表示サンプル、設置環境、運用時間、保守方法を照らし合わせ、必要な画質・耐久性・電力効率を満たす構成をご提案します。
次世代の映像を支える、
MIP技術。
MIPの要点は、大きなパネル全体で良品率を管理するのではなく、微細なLEDを小さな単位でパッケージし、検査・選別してから並べることです。色と明るさを揃えやすく、不良素子を実装前に取り除きやすい工程を構成できます。
-
STEP 01
Micro LEDを転写
微細なRGBチップをキャリアへ配置し、パッケージ工程へ送ります。
-
STEP 02
小さな単位でパッケージ
RGBを一画素または小さな表示単位として独立した部品にします。
-
STEP 03
検査・選別・混合
発光状態、色、明るさを確認し、表示の均一性を整えます。
-
STEP 04
モジュールへ高密度実装
選別したパッケージを基板へ並べ、LED表示モジュールを構成します。
個別に測定・選別したパッケージを混合し、画面全体のばらつきを抑えます。
微細チップと黒色パッケージにより、非発光部の黒い面積を確保しやすくなります。
光学設計とチップ構造により、斜めから見たときの色変化を抑えやすい方式です。
個別パッケージ化後はSMTに近い実装工程を活用でき、量産の拡張性が期待できます。
※上記はMIP技術の一般的な工程と傾向です。パッケージ構造、チップサイズ、視野角、輝度、補修方法はメーカーおよび製品仕様により異なります。
MIP技術を、
実際の製品で。
MIPの構造や特長を理解した後は、実際の製品ページで表示品質、仕様、設置イメージをご確認いただけます。高精細な映像表現を検討している方は、MIP製品の詳細をご覧ください。
5つの技術を、
一つの表で比較。
方式ごとの一般的な傾向を比較しています。実際の製品選定では、同じ方式でもチップ、封止材、駆動IC、キャビネット設計によって性能が変わるため、個別仕様の確認が必要です。
| 比較項目 | DIP | SMD | GOB | COB | MIP |
|---|---|---|---|---|---|
| 基本構造 | 最も成熟した方式の一つ。砲弾型LEDを基板の穴へ挿入 | 個別RGBランプを表面実装 | SMD実装後に樹脂で表面保護 | LEDチップを基板へ直接実装し面封止 | Micro LEDを個別パッケージ後に実装 |
| 高精細化 | △大きなピッチ向け | ○標準から小ピッチまで | ○ベースとなる方式に準拠 | ◎超小ピッチを構成しやすい | ◎微細ピッチへの拡張性 |
| 表面保護 | ◎高耐久。屋外環境で長い実績 | △素子表面への接触に配慮 | ◎樹脂層で耐衝撃・防塵性を強化 | ◎面封止による高い保護性 | ○保護性能は製品の封止構造により異なる |
| 均一性・黒表現 | 高輝度で、遠距離からの視認性に優れる | 製品・選別精度により異なる | 樹脂の光学設計により異なる | 滑らかな黒い表面をつくりやすい | 個別選別と黒色パッケージを活用しやすい |
| 補修・交換 | 素子単位で対応しやすい | ランプ単位で対応しやすい | 樹脂層を含む専用補修が必要 | モジュール単位になる場合が多い | パッケージまたはモジュール単位。製品仕様による |
| 主な用途 | 大規模屋外広告、スタジアム、道路表示 | 店舗、オフィス、ステージ、DOOH | 床面、低位置、レンタル、接触の多い場所 | 会議室、監視室、近距離の高級映像空間 | 高精細会議室、ショールーム、大型Micro LED、DOOH |
※「◎・○・△」は方式の優劣ではなく、各項目に対する一般的な適性を示した目安です。GOBは独立した発光素子の方式ではないため、ベースとなるSMDの特性と合わせて評価します。
技術名より先に、
確認したいこと。
最適なLEDは「最新方式」だけでは決まりません。実際に見る距離、周囲の明るさ、人が触れる可能性、導入後の保守体制まで整理すると、必要な方式と仕様が明確になります。
どの距離から
見るか
近距離ならピクセルピッチと黒表現を重視。遠距離なら必要以上の高精細化より、明るさと画面サイズのバランスが重要です。
屋内か、屋外か
外光、雨、粉塵、塩害、温度差を確認します。屋外ではパッケージだけでなく、キャビネットの防水・放熱設計も必要です。
人が触れる
可能性があるか
床面、通路、低い位置、レンタル運用では表面保護が重要です。GOBやCOBなど、接触を想定した構造を検討します。
どう保守するか
前面・背面の作業空間、交換単位、予備品、停止できる時間を確認し、導入後も無理なく維持できる構成を選びます。
方式を売るのではなく、
設置環境に合う画面を設計します。
DTFは、視認距離、コンテンツ、明るさ、設置条件、保守計画を確認し、DIP・SMD・GOB・COB・MIPから過不足のない構成をご提案します。
よくあるご質問。
LEDチップ・パッケージ技術を比較するときによくいただくご質問をまとめました。
新しい方式ほど画質が良いのでしょうか。
GOBとCOBは同じ技術ですか。
MIPとCOBはどちらを選ぶべきですか。
パッケージ方式だけで製品を選べますか。
最適なLED技術を、
設置条件から選定します。
図面、設置場所の写真、希望サイズ、視認距離をもとに、画質・耐久性・保守性・予算のバランスが取れたLEDビジョンをご提案します。

